勉強・成績

塾講師が解説【基本編0】子どものタイプとクセ別、小・中学校の成績を上げる方法を発見!

こんにちは!
【Get A Life(GAL)】のアメリです!

 

私は日中、小学1年生~高校生まで教える塾講師をしているのですが、

大人と子供では生活形態に違いはあるものの、あまりにも共通点が多いのと、小・中学生や保護者の方からの質問がすごく多いので、ブログがてら書かせて頂く事にしました。

私は自分が学生時代から、今までに、俗にいう普通の子、問題児、成績の悪い子、よくできる子、不登校生徒など数々の担当してきました。

その際、俗にいう「できる子」と「できない子」には根本的に大きな違いがあり、
彼らのクセや習慣には、歴然とした違いがありましたので、書いておきます。

 

また、これを読んでおられる保護者の方や、生徒さんご本人さんもね!
まず自分がどのタイプの子なのか、考えてみましょう。

注意: あくまでも私の経験から感じた個人的な気づきを書いていますので、
ご理解した上でご覧ください。




ラーナー(学ぶ側)には、タイプがある

 

おそらく大勢の人が、生徒には多分、

俗にいう、
「頭の悪い子」

「勉強のできる頭のいい子」

「(よくも悪くも)普通の子」
の大きく分けて3種類の子達が居ると思っておられると思います。

実はその3種類の大枠から、もう少し沢山の種類がある、と私は考えています。

典拠: IndiaToday

ここでは便宜上、他にうまく形容できる“呼び名”が見つかりませんので、俗に言われるところの「できる子」「普通の子」「勉強のできない子」と表現し、
それを「悪口か!どういう意味やねん!」とお気に障る方もあるかもしれませんが、ご勘弁下さい。

これらは私が今までに出会ってきた沢山の生徒達から学んだことです、誰かの役に立つかもしれませんから、まずはご覧になってみて下さい。




タイプA.俗にいう「勉強のできる子」「頭のいい子」

 

典拠: Inc.com

俗にいう、「できる子」「頭のいい子」「賢い子」「成績のよい子」と呼ばれる子達です。

ふふふ、うらやましいですね!

 

「うちの子はできる子じゃないから、別世界の話!」と読み飛ばしてはいけません。

「勉強のできる子」が努力も何もなくして、自然にそうなったというのは、ひどい偏見です!

実は何にも勝る、いくつかの習慣で、「勉強がわかる」という状態にあります。

 

世間では、「できる子」も「頭のいい子」も「優等生」も十把一絡げですが、
以下はその「1.できる子・頭のいい子」の中から、主に以下のようにタイプ分けしてみました。

 

パターンa: 1言えば10わかる子

 

学校でも未学習の分野ですらも、まだ説明を始めたばかり(初見)なのに、じっと説明を聴きながらさっさと理解していく子達です。

講師側が途中途中で理解度を見る為に、いくつか質問をしても的確に答えます。

 

お母様たちの言葉を借りるなら、これらは俗にいう、「問答無用で頭のいい子」で、その後実際に問題を解かせても、スイスイ解いてゆくタイプの子です。

 

授業中や、講師が喋っている間はノートを必死で取るわけでなし・・・
ただ授業を聴いています。




 

パターンb: 解説や質疑応答でできるようになる子

 

このタイプの子は、「タイプa:1言えば10わかる子達」と少し違って、
1言えばスイスイと不正解なしで解けるわけではありません。

すぐに理解できる事もあれば、簡単にはわからない事もあるようです。

 

このタイプの子の特徴として、講師が授業を行っていると、わかる箇所では頷(うなず)いていたり、わからない部分はフリーズ(!)したり、首をひねったり(笑)して聴いています。

また、疑問点があると質問したりしてから取り組みます。

その後、実際に問題を解き出したり、答え合わせをするときにも、講師に「ここの部分がよくわかりませんでした」と解説を求めます。

わからない事は、わからなくなったその度に質問に来て、毎回解決して帰ってゆきます。

このような習慣を続けることで、この子は「パターンa:1言えば10わかる子」へと変わって行ったりもします。

 

またこのパターンb: 解説や質疑応答でできるようになる子」の特徴として、とても努力家です。

決して要領がいいわけでもない子も居ますが、言われた事はきちんと留意して問題に取り組むため、月日を追うごとに集中力が増していっているのがよくわかります。

 

さて、「タイプA. できる子・頭のいい子」の特徴には、
「頭が良くなる」ヒントがいくつか書いてあったのですが、どこだと思いますか?

 

別枠として、ごくたまに現れる「天才児タイプの子」が居ますが、本当にごく稀です。

私もまだ米国時代に2人くらいにしかお会いした事がありません。
そのような例は、ちょっと珍しいのでここでは割愛しますね!

 

さてお次は、「秀才」でも「頭よくない子」でもない、俗にいう「普通の子」です。




タイプB.俗にいう「(頭がよくも悪くもない)普通の子」

 

典拠: Adobe Stock

俗にいう「頭がよくもわるくもない、フツーーーーの子」ってやつですね。

そう言ってるお母さん達をよく見かけます(笑)

 

問題を解かせれば、同じ分野の問題なのに、できてる箇所もあればそうでない箇所が入り混じっており、小学生だと、テストの点が70点程。

中学生だと、定期テストが大体50点台後半~70点程。

 

おそらく、ほとんどの保護者の方は「うちの子はこれだ!」と思われてるのではないでしょうか?

 

分野の途中までは理解しているのですから、別段学習障害などがある状態、というワケでもなく・・・
実はただただ「問題の解き方」を最後まで理解していないだけ、という事が多くあります。

 

では、タイプ別に見てみましょう。

 

パターンa: 夢中になっている事がある子

 

勉強の理解度は普通なのに、何か他の事に極端な時間の費やし方や、興味・集中を見せている子達です。

それが何かといいますと・・・スマホ・ゲーム・アニメや趣味・部活などへの極端な傾倒です。

それ自体が悪いのではなく、歯止めが利かなくなるところまでいってしまうのが、ミソであり、「落とし穴」なのです。

・・・勉強ができない状態より、もっと最悪です。

 

「いや、うちの子は少々苦手があってもいい! 得意な事を伸ばすんだ!」とかいうのならいいですが、勉強以外の何事も、それに向かって何の努力もしなければ、よい成長はしませんよね ><

 

ましてや、得意な事をジャマするまでに別の事に夢中になっているとなれば、話は別です。

 

この「落とし穴」がミソで、放っておくと、高校進学の時期に、「行きたかった高校」ではなく、地元でいうところの「辛うじて高校・辛うじて公立高校」を受験せざるをえない事になります。

そこに志望する専攻コースなどがあるのでしたら大変いいと思いますが、「そこしか行けるところがない」などの、妥協して仕方なく受験した状態だったり、
別の事に夢中になりすぎて、段々と授業中も終始ぼんやりし、提出物も怠るようになり・・・綱渡りのような状態になり、ヘタに勉強のできない子よりも状況は悪くなっていく事があります。

なんらかの取り決めをする必要があります。




 

気を付けて欲しいのは、「ゲームも部活もやりたきゃやっていい」という事です。

息抜きや健康な体の維持は、物事をおちついて考えるのに重要なエッセンスです。

これを読んだからといって、なんでもかんでも自分の子に当てはめて、さほど中毒でもない状態の、「親との決まりを守って楽しんでいるタイプの子」の趣味まで取り上げないで下さい。

 

マズイのは、「記憶がなくなるまで夢中になる事」です。

「記憶がなくなる? うちの子はそんな状態にまではなってないから違うわね」って思われたでしょう? 実は多いのです、この手のタイプの子。

「記憶がなくなる」というのを詳しく説明すると、例えば授業を1時間聴いて、実際に問題を解いて、正解も適度に出して・・・なのに、次の時間にやると、1問も解けていないのです。

・・・つまり記憶に残っていないのです。

 

本来ならば、「前の時間に何の項目を習ったのか」くらいは記憶に残るのですが、それすら記憶に残ってはいません。

「こうやってやるの、こないだ習ったでしょ?」って言っても、
「そうだっけ?」とか「そういえば、やったね」くらいの、ぼんやりした状態です。

 

授業の時間なんて限られていますから、習った事を記憶にとどめておく為に、「宿題」というものを行いますが・・・
この「パターンa: 夢中になっている事がある子」は宿題すら、やったりやらなかったり、「宿題」そのものの存在すら忘れていたり・・・

それがずっと続きます。

 

多いんですよこの↑↑ケース。
特に、ゲームや部活に夢中になっている子に。

アメリカだと、何かのクラブや部活に入部すると、学業のテストである程度の点数を修めないと、チームに参加させてもらえない・退部させられるなど、
「学生の本文は勉強である」のルールから逸脱する事はありませんが、日本は諸外国以上にまだまだ学歴社会のくせして、こういうところのルールはまったくありませんもんね。

ちょっと支離滅裂な部分はあります。




 

話を戻して、

「習ったことを忘れる」「宿題を忘れる」などの最たる状態はどうなるかというと・・・本物のレーサーやギャンブル中毒の人と会話をしてみて下さい。

ひとつの事にギャ~!っと集中してムキになって、血道をあげた後って・・・それより以前に話した内容、一緒に見聞きした光景など、ほとんど覚えていないのです。

こと約束した内容や、約束した事自体を覚えていません。

脳がそこに全ての糖やエネルギーを、いちどきに一点集中させてしまう為、その他の事は記憶から消えてしまう、と考えられています。

 

レーサーやギャンブラーとまではいきませんが、では、子ども達のように「ムキになる何か」を毎日行っていればどうなるでしょうか?

・・・そりゃ、宿題の存在は忘れ、習ったことも忘れ、テスト前の提出物も丸写しになってしまっても不思議はないでしょう。

 

いいですか?

生徒が何をしていようとも、学校の授業は進んでゆきます、そこは変えられません。

前回習った事を踏まえて、次の項目を習います。

 

それなのに、前回ならったことが頭からすっぽ抜けていたら・・・
何もわからぬまま今回の授業を受け、
な~んとなくわかったような気分になったところで、
今日もまたその「何か」に夢中になり、
翌日また綺麗に忘れた状態で授業を受け、
何やらよく理解できぬまま、また夜に「何か」に没頭し・・・。

最悪のスパイラルです!

 

「学校の成績をあげる」という事が人生の第一目標な人はあまり居ないと思いますが、
時間をかけて学んだこと・習った事を、「自分の行動?意思?で記憶から消す」のは、実に無駄です。
(昔の英語教育みたいね! 役にもたたないことを中高6年もかけて習う。)

 

勉強ができる・できないよりも、時間のほうがはるかに大事です。

命と同じですから。

無駄にするな!

 

娯楽も部活も、精も魂も尽き果てるまで没頭するのではなく、他の生活に支障がない程度に留めましょう。

周囲の人と「ゲームは1日◎分まで」とか、
「宿題を全て終えてからなら、ゲームを◎分してもよい」などと決めて行うようにしましょう。

自分ひとりでは決めても結局ウヤムヤになりますからね。

 

部活などは、試合や大会などもあるでしょうから、
おうちの方と担任や部活の先生が話し合って決めると良いでしょう。




パターンb: やるべき事を見失っている子

 

これは、かいつまんで言うと「要領が悪い子」という分野の子です。

 

決して怠けているわけでもない、勉強もできないって程できないわけでもない。

また、「パターンa:夢中になっている事がある子」のように、別段何か他に夢中になっている事があるわけでもないのに、
優先順位がよくわかっていない為、比較的急いでいる時に、やらなくてもいい事をやっていたり、そこまで重要ではない事に長々と時間を使って、その事に忙しくなり自分の首を絞めている子。

これは「タイプB:普通の子 – パターンa:他の事に夢中になっている子」や、
後に出てくる「タイプC:勉強のできない子」にも共通しますが、

授業中ノートを美しく装飾して取る事に集中していたり、

テスト前までに学校に提出しなくちゃいけないワークなども前もってやっていない為、定期テスト前は本来勉強に精を出す期間のはずですが、毎回、回答をワークに丸移ししてする為だけに時間を割いていたり・・・

つまり、本来の意味での「勉強」になんて時間を割いてはいません

良くも悪くも損得を考えていないので、例えば数学の教師が傍にいて、自習を見ててくれるのに、自主勉強ノートに歴史の年表写しを始めたり・・・
せっかく数学の先生が傍に居てくれるのですから、その時数学の問題を解いて、わからない部分を全て質問すればいいのに。。。

大人の感覚でいうと、歯がゆいかもしれませんね!

 

しかし、この「パターンb:やるべき事を見失っている子ども達」に怒鳴ったり、「鈍い子だね!」と叱るより、
いつもどのように行動したほうがいいか、考え方や筋道の立て方を何度も何度も話して聴かせるほうがはるかに有効です。

 

はっきり実例を言います。

「鈍い子だね!」「これはこうやるんだよ!」って、大人が横から取り上げてガミガミ言われた子は全てにおいて、周囲の人の許可を得ないと行動できない子になります。

大人になってもそれはなかなか変わりません。

言われた内容を理解するより、「言葉・指示」そのものに捕らわれるようになり、「これは触らないで」と言われた物には、非常事態にも触りません。
非常事態にはそれを使って行動しないといけないような場合にもです。

良くいえば素直ですが、「触ってはいけない」と言われたことだけがインプットされ、臨機応変に行動する事が難しくなってくるためです。




 

時間はかかりますが、「いつもどのように行動したほうが(要領が)いいか、考え方や筋道の立て方」を生活の節々で話して聴かせ、この先のものごとも自分で意見を持ち、判断できるようになる手助けを行うようにしましょう。

 

さて、「タイプB:普通の子」はこれでおしまいですが、

実はこの「タイプB:普通の子」の生徒は、他タイプの生徒より、可能性を秘めています。

授業の聴き方・ものの習い方を変えるだけで、「タイプA:勉強のできる子 – パターンb:解説や質疑応答でできるようになる子」へと変貌を遂げる事ができます。

 

これは周囲の人が押し付けるのではなく、本人が意識して行うよりほか手立てはありません。

 

タイプC.俗にいう「勉強のできない、得意でない子」

 

典拠: Adobe Stock

こちらは、俗にいう「勉強のできない子」「得意でない子」「頭の悪い子」などと総称される生徒達です。

場合によっちゃー「バカな子」などと呼ばれたりしていますね。

・・・ひどい呼び名ですね・・・。

 

こちらの子は「勉強以外の様々な事」が「勉強をしない・できない」の原因になる為、多種多様なパターンが要因として考えられますが、ここでは代表的なものを書いておきたいと思います。




パターンa: 凡ミスや、うっかりミスばかりをする子

 

こちら、凡ミスやうっかりミスばかりを繰り返す子です。

これは特に、算数や数学に多いのですが、
例えば、計算方法や手順などすべて合ってるのに、凡ミスや計算ミスばかりを繰り返し、一向に正解にたどり着かない子です。

・・・結果、本人も「私は頭の悪い子」という認識になり、
必然的に「だから正解しなくて当たり前」という考え方に甘んじるようになります。

・・・「何くそ!」は無いんですね。

 

シンプルに言うと、おっちょこちょいを直せば、かなりの率で成績は伸びます。

・・・その、おっちょこちょいを直すのが難しいんですけどね(笑)

 

自分がこのタイプがわからない場合は、まずは何か単純計算を解かせます。

 

その結果、毎回同じようなで間違うようなら、根本のひっ算や計算方法の基礎が理解できていません。

ゆっくりおちついて、基礎を習ってみましょう。

 

単純計算が解けた後は、今度はタイプのそれぞれ違う問題を何題か解かせてみます。

中学生の場合は、なるべく文章題は避けて解かせてね!

結果に、正解・不正解が入り混じってしまった場合は、おそらくこの「凡ミス・うっかりミス」タイプです。

 

まず自分がどこで毎回間違っているのか、知る事から始めましょう。

 

ちなみにこのテのパターンの子は、自分が注意して問題を解くかどうかで、「タイプBの『普通の子』」や、着眼点と努力次第では「タイプA:頭のいい子 – パターンb:解説や質疑応答でできるようになる子」に変わる事ができます。

 

何度も言いますが、気休めでも珍しい事でもありません。

移項ミスや±(プラスマイナス)のミスを繰り返してしまうなら、当面の間そこだけに気を付ければ、あとはそれがクセになってきます◎ ので、文字通りノーミスでこなせるようになります。




パターンb:  授業を聴く機会がなかった子

 

これは、
授業中に落書きをしたり、先生の言ってる事がわからない、などの理由で、
これまでに授業をまともに聴いて来なかった子
学校に通っていない不登校の子なども含みます。

毎日学校に通っているのに、聴いていないのは、「機会が無かった」も同じです。

 

勉強がわからなくて学校に行かなくなった・・・とかでない限り、
このテのタイプの子は、一度集中して聴く事ができるようになると、どんどん正解する事が可能になります。

新品のスポンジと同じ・・・他の子とは比較にならない勢いで吸収しますので、一度勉強し始めると進歩は早いです。

 

小学校低学年の子の場合、立ち歩きや集中力の無さなど、まだまだ勉強云々ではない状態の子も居るので、その年齢の子はまず集中力を付けさせることがスタートです。

毎日寝る前に、保護者と一緒に「本を声に出して」読みます

絵本でもいいですよ。

書いてある文字が読める年なら、交代で声に出して読むといいでしょう。

 

絶対に、3日坊主はやめてね!

最低でも1週間は続けて下さいね。




パターンc: 一人でやるとできない子

 

これは「先生の話を聴いてる間は、楽しいし、集中して理解できるけれど、自分でやるとできない子」です。

このパターンの子は、授業を受けただけでは、実際に問題を解いていく事はできません。

解く際に、教える側が水を向ける、ヒントを出し続けるなどすると解く事ができますが、一人では解き進める事は困難です。

 

それらは、多くの場合、習っている事の表面~半分だけを理解している状態です。
そして以下のような事が考えられます。

1.ひっ算や基礎計算の方法がわかっていない場合。

2.文章題の意味がわかっていない状態。

 

1の場合は、本人が「疑問点」だと思っている部分を解決してやると理解・納得して、年月はかかるものの、段々とタイプB「普通の子」に変貌を遂げられる場合もあります。
何度も見ました。

このテのタイプの子が、「学校の授業を聴いててもわかるようになってきた」「以前程授業が難しいと感じなくなった」と、80点や90点などのテストを持ち帰るようになってきたときのうれしさと言ったら!

生徒も嬉しい、私達はもっと嬉しい!

彼らの努力のたまものですから。

 

2のタイプの子は、一重に読解力不足です。

読解力不足のため、なかなか判断が難しく、後に説明する「パターンd:勉強となるとわからなくなる子」の可能性もあるので注意が必要ですが、
小学5~6年生になって「払ったお金・商品の値段・おつり」の立式ができなかったり、おつり自体の概念が無かったり(!)・・・

 

「読解力の無さ + 日常の経験不足」 のダブルタッグで不可解な回答を珍出したりするので、まずは簡単なものでいいので「本を読む」事から始めましょう。

 

1冊読んでやめてはいけません。

できれば物語文がいいでしょう。

日々常習的に本を読み、言葉の意味や、前後関係、流れ、など読み解けるようにならないと、他人の会話の流れ・意図・説明を理解するのは難しいでしょう。

 

この状態でどれだけ説明しても、ただの雑多な音です。

とにかくとにかく文字を読む事を習慣づけましょう。

 

私は講師であると同時に、元図書館員でもありますので、読書の魅力についてはまた別に語るとして、

勉強面にとどまらず、「ものごと」が筋道立てて理解できるようになると、実は、中学・高校・大学・社会人になっても、起こさなくていい雑多なトラブルを避けられるようになったりしますので、「成績成績!」という事ではなく、将来の為だと思って習慣づけていくようにしましょう。




パターンd:「勉強」となると途端にわからなくなる子

 

これは、「日常生活やお友達との会話にはなんら問題がないのに、勉強となるとちっともわからなくなる子」ですね。

小5くらいになって、「11引く8は?」と聞かれて、返事にだいぶ時間がかかったり、5とか13とかいう検討違いの回答が出てくる場合はちょっと注意が必要です。

 

これは「脳」の領域の事なので、大人になったら自然と理解できるようになるわけでもありません。

よくクイズ番組中に、事務所や本人の売り込み戦略とかで、狙ってかわいいお馬鹿な回答をするのではなく、いくら他の人が易しく簡単にして教えてくれても、無反応で見つめるように聴いてて・・・最後に「わかった?」と聞かれても、全然理解できてない方居ますよね。

また、運転免許などで、実技試験は受かったものの、いくら勉強しても、10回20回と何度受験しても筆記試験は一向受からなかったり・・・。

講義を受けたり問題集を解き、試験だって何度か失敗すれば傾向などが理解できそうなものですが、そういった事は当てはまらないようです。

 

この手のタイプの子には、少々専門家の力を借りる必要がある場合があります。

 

ほとんどの場合「何がわからないのか」もわかっていない

なんなら「学校で今、何を習っているのか」の分野すらも、うまく説明する事ができない時があります。

 

同じ日に授業を受けた(同じ条件の)同級生達に「だからね、ここを先にやってからこっちをやるよ」と説明されても、まるで外国語で説明されているかのような反応になり、なにひとつ理解できません。

 

この場合には、まず質問をしてみて下さい。

「(学校で習った)今日の算数、何を習ったの?」

 

親御さんが「分数? 分数のかけざん? 帯分数?」などと質問し、生徒が首を振ったりうなずいたりするのではなく、

本人が「分数の約分」などと、分野を具体的に言葉を口に出して説明できるようなら、まだ学校で何をならっているのか理解している状態だと思われます。

 

ちなみに、毎回質問しても、今日習ったばかりの事なのに、「何をやったんだったか覚えていない」というのは、1つは本当にわかっていないか、もう一つはただの注意力の散漫かのどちらかです。

後者は小学校低学年・中学年の子どもにありがちですね(汗
さほど神妙に考える必要はないかもしれません。




 

今度は、「(今日習ったところは)わかった?」と質問してみてください。

お次に、「難しくなかった?」ともきいてみて下さい。

 

どちらの質問にも、「うん」「わかった」「すこし難しかった」などと答えている場合は、こちらの質問にオウム返しに返答し、能動的に返事をしているだけの状態になっている可能性もあります。

「難しくなかった?」という質問に、「うん」「少しわかった」などと返答している場合は、本当にわかっているかどうか計算ドリルなどから5問ほど問題を出してみて下さい。

皆目正解しない場合、自分がどういう状態かわかっていない可能性があります。

 

この「パターンd:『勉強』となると途端にわからなくなる子」タイプの生徒さんの場合、保護者や専門家の助けが必要になる可能性があるからです。

「うちの子ちっとも成績が上がらないんですけど~!」とかいう次元ではありません。

この場合そもそも、彼らにとって私達の教える方法のほうが間違っている場合があります。

彼らの「理解するプロセス」が他の子と違う事が考えられますから、いくら私達の方法を押し付けたってダメです。

 

彼らの成長や学習が一番の優先順位です。
まずは専門家に学習障害や発達障害ではないか確認してもらって、
それぞれの状態に応じた勉強方法でアプローチする必要があります。

 

診断を受けてみて、何も言われなければそれはそれで一安心ですし、

何かしらの障害があれば、それはそれで対応を考え、その子にとって学びやすい・生きやすい環境を作っていく必要があります。




 

たまに我が子の状況がまったくわかっておらず、「うちの子、何言ったってダメ! 教えてもダメ! イライラする。塾に通ってるのにどうして成績伸びないんですか!」というお母さんおられますが、少しばかり様子を見て欲しい事があります。

 

子どもさんのお友達を何人か集めて、お子さんと一緒に宿題をさせてみて下さい。

お子さんだけ、

  • 極端にペースが遅い、
  • (正解・不正解が入り混じる、とかの類ではない)解答のほとんどがトンチンカン、
  • 早く終わったお友達が説明してくれているのにどうもわかっていない様子

などになっていないでしょうか?

特に、最後の「説明してくれているのにわかっていない」様子をみて下さい。

 

私の経験上、本人のせいではないのに学習に問題のある子の特徴として、「まるで遠い外国を見ているんじゃないか」とか「急に耳が聞こえなくなったんじゃないか」と思えるような様子で板書を見ています。
じーーーっと聴いているのに、聴こえていないような顔とでも言いましょうか。

小学校高学年でも、小1で習うような簡単な引き算(11-4は? など)をひどく考え込んだりします。

またひどく長く考えたところで、解答は不正解だったりします。

「授業も聴いたし、じゃぁ問題に取り掛かろう!」という時段になると、問題を書き写したきり、手も足も出なかったり、

「ここはこうする事から始めよう!」などと、具体的に解き方を指示されたそばから、まったく違う方法で計算を始めたり・・・。

 

やる気や集中力はあるのに、勉強となると、とたんに頭の中に雲がかかったように、モヤモヤとして理解できなくなるのです。

いくら理詰めで説明してもダメです。

別に本人の努力不足でもなんでもありません。

 

噛んで砕いてゆっくりと説明して下さい。

また、合っていない学年の勉強をするより、本人に合った学年の勉強をさせる事も必要です。




 

筋道立てて考える必要のない、「九九表を覚える」などの暗記ものは、比較的きちんと覚える事ができますが、
しばらく前に習った事を思い出して解いたり、三角形や四角形の面積の求め方(公式)など、「覚えなければならない事 + それに当てはめて計算する事」は難しい場合があります。

 

また、「タイプB:普通の子 – パターンa: 夢中になっている事がある子」の状態と少し似ているのですが、

習った事を長期的に記憶にとどめておくこと

宿題の存在自体を忘れる、等、「覚えておくこと(覚えたままでいる事)」が難しい子も居ます。

・・・宿題が出ない日のほうが滅多にないわけですから、宿題の存在自体を忘れるなんてちょっと周囲の子どももギョ! です。

 

 算数や数学だと、単純計算はできますが、文章題の意味を理解する、空間図形をイメージするのが極端に難しい、

 国語だと、ひとつひとつの文が言っている事はわかりますが、それが「文章」となって前後の文脈とつなげて理解していくのは難しい時もあるようです。

また「劣等感」や「ジレンマ」など、人間特有の複雑な心理状況を紐解いてゆくタイプの小説を読むような文章題の場合、高い頻度でパニック状態になる子も多いです。

「泣き叫ぶ」とかではなく、本人達の言葉を借りると、「(人間の心理などの文章になったとたんに)どうしてここまでわからないのか自分でも理解できなくて混乱する」のだそうで、文字通り、文を読んだとたんに泣き出す子も居ます。

 

・・・え? さっきまで静かに読んでたと思ったら、急にどうしたどうした?!  状態ですね。

他人との距離感などが難しいのか、そういったタイプの問題ではパニックになるのかな。

 

パターンdの子の場合、私の経験上では、学習障害か発達障害(グレーゾーンも含む)の時が多いですが、

障害かどうかを見分けるのは親や講師の役割ではありませんので、早めにしかるべきところで見てもらいましょう。




 

市町村の小学校では「うちの子がおかしいっていうの?」「(「障害」と)結果が出たら最後」などと、絶対に我が子に検査を受けさせない! という保護者の方も数多く報告されていますが、子どもの事を本当に思うなら、「診断結果」が「すべて」ではないのです。

それは第一歩です。

最後なんかじゃありません、

本人の希望や能力にもよりますが、進学もできれば免許も取れますし、就職も結婚もできます◎

この世の終わりでもありません。

 

ひとことに発達障害と言っても、沢山の種類がありますので、とにもかくにも専門家にみてもらいましょう。

診断から、その子の抱える学習障害なり発達障害なりの特性をしっかりと理解し、勉強を教える際にも、それ↑↑↑に応じたアプローチで導いていく事のほうが、彼らにとってはるかにわかりやすい状態になったりもします。

 

親も、子どもが故意で悪いわけでもないのに、ガミガミ怒らなくて済むようになりますし、

本人も、悪くもないのに理由もわからず怒られて苦しまなくて良くなり、

講師も、それを伝えてもらう事で、教え方をよりよいアプローチに変えられます。

いい事しかありません。
診断を避ける事で、真実は闇に葬られるでしょうが、事実は変わらないわけですし。

 

診断結果が出たら、それについての理解を深め、周囲の人にヘルプを出して、その子を教え導く事のほうが、勉強・進学・就職・社会生活を送るにあたって、はるかに大人らしい事をしてやれます。

 

また、親だけが「勉強は、他の子と同じようにできなければならない!!」と、精神的に追い込まれるのではなく、本人に必要、かつ、ふさわしい教育を受けさせたり、特技を伸ばしてあげる習い事をさせたりほうが、
わかってもない「雑多な音声」でなにひとつ解けない問題をずっとトライさせて、数年を無駄にするより、有意義な事だってあります。

 

気を付けるべきは、

「(他の子と同じ授業を)受け続ければ(他の子と同じように)絶対わかるはず」と押しつけない
また逆に「わかんないんだから他の事をさせよう」と、勉強を簡単に諦めさせたりせず、挑戦はさせるようにすること!

 

とにかく諦めず、過度の希望を持たず、気長に続けていく事です。

学校や塾に丸投げは絶対にいけません。

経験上、親御さんも一丸となって取り組んでくれたおうちの子は、学習に障害があっても、ある程度学校の勉強についていく事ができました。

少なくとも拒否反応とかは無く、楽しんで・率先して勉強しておりましたし、「勉強が苦ではなくなった」とは言っていました。




 

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典拠: Reach to Teach

さて、どうだったでしょうか?

タイプごとに良い癖、悪い癖、など気質がすごく別れていたと思います。

障害については、私は専門ではありませんし、しかるべき場所で早め早めに検診を受けましょう。

また、ここに出てきていない勉強タイプの子達も勿論いますが、学習タイプを知っておく事は、それを踏まえて、いいところは伸ばす!悪いところは直す!という事ができますので、いい事しかありません。

 

習う側も、教える側も、手助けする側も、見守る側も、できる事から一歩一歩進んでいきましょう!

 

次回は、【勉強をする・しない以前の問題】親がこれをやっちゃダメ!余計厄介な事になっちゃう! という問題を書いておきたいと思います。

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